2012年度 山彦デモプログラミングコンテスト入賞作品

第1位 つくば電力 〜停電を防止せよ〜

渡辺 敦志

情報家電製品が家庭内に浸透すると、自動的に機器同士が通信を行ってサービスを提供するようになり、通信が行われていることをユーザが知覚できずに不信感・疎外感を感じる可能性がある。機器(ロボット)同士が可聴域の音声信号で通信して動作するようになれば、人間との親和性が高められると考えられる。 このデモでは、2台のロボットがユーザの指示に従って、電気機器の電源をONにする。全ての機器はブレーカーに接続されており、合計の電力が制限を超えないようにする必要があるため、ロボット同士で通信して互いの使用電力を確認して、他の機器をOFFにしながら、指示された動作を実現する。

第2位 赤チャンピオン

Gavin Paul

赤ちゃんはミルクが欲しくて泣いていますが、あなたは忙しくて手が空いていません。そこでミルクの入った哺乳瓶を準備し、赤ちゃんに渡すことができるロボットのシステムが必要とされています。そのシステムを赤チャンピオンといいます。赤チャンピオンは、軽量な山彦移動ロボット、ASUS Xtion(RGBDカメラ)、RGBDカメラを操作するためのパン·チルトユニット、Exact Dynamics、iArmマニピュレータで構成されています。赤ちゃんが哺乳瓶を必要としたとき、赤チャンピオンのコーディネーターのコンピュータが移動ロボットに動いて、オブジェクト検出プログラムが哺乳瓶を発見し、iArmマニピュレータが哺乳瓶を把持し小さな移動ロボットに渡します。移動ロボットは、泣いている赤ちゃんに戻って哺乳瓶を渡してあげます。

第3位 写スンです!

尾形 一気

自分自身の写真を撮影するのは、なかなか難しいものです。そこでカメラを使って自動で写真を撮ってくれるロボットがいたら、便利ですよね。このデモでは、ロボットがデジタルカメラを使って被写体の顔が写るように写真を撮影してくれます。 ロボットは、まず測域センサのデータから人間らしい部分を見つけます。次に、一度後退して切り返す動作のなかで、被写体が画角内に収まる位置まで移動します。 そして、測域センサをチルト方向に振って三次元計測することで被写体の身長を測定し、デジタルカメラに最適な仰角をつけて、全身とアップでそれぞれ写真を撮影してくれます。 身長を計測して、顔が写る位置にカメラを向けるので、身長の高低に関わらず顔が写った写真を撮ることができます。

第4位 ケータイの音声認識で自律走行

原 祥尭

2006年度に、ケータイのWebブラウザを用いてロボットをリモコン走行できるシステムを開発した。今回はこのシステムを発展させ、ケータイの音声認識で目的地を指定することによる自律走行を実現した。 具体的な処理内容は、以下のとおりである。まずスマートフォン(Android)のGoogle音声認識を用いてユーザが話した目的地を認識し、目的地の位置をWebサーバ上に構築したPHPによるシステムに送信する。ロボットはWebサーバから目的地の位置を取得し、事前に Rao-Blackwellized Particle Filter SLAM により生成した地図の上でA*アルゴリズムで経路計画を行う。自律走行の際には Adaptive Monte Carlo Localization により自己位置推定を行い、Dynamic Window Approach により障害物を回避する。

第5位 箱回収ロボット

松本 祥

1.5m×3mの領域内に置いてある箱を、S字フックを使って回収するロボットです。ロボットは測域センサを用いて領域内の箱の位置と向きを判断します。箱の細い方の面にはS字フックが取り付けられており、ロボットは回転して、自身の後部に取り付けられたフックをそれに引っ掛けます。その後は、フックが離れないように時計回りに回転しながら移動し、領域の外で箱を切り離します。フックを引っ掛けるためには、ロボットと箱の相対位置の誤差を数cm程度に収めなければならず、正確な箱の位置・角度を導出するのに苦労しました。